2005年11月29日 (火)

少人数私募債(3)

今度は、実際に少人数私募債を発行するにはどんな手続きが必要なのでしょうか。簡単に列挙してみます。

1.取締役会で決議する
組織の小さな中小企業においては問題ないですね。議事録を作成すればクリアできます。

2.募集要項をまとめる
募集金額の決定や利子をいくらにするのか、何年後の償還にするかなどをあらかじめ決めておきます。

3.社債申込証を作成し、受付を行う
配布する社債申込証には記載しなければならない事項があります。それらを記載し、社債申込証を作成し受け付けます。

4.引き受け者の審査・確定
特定の縁故者を勧誘するわけですが、時として知らない人物が名乗り出てくることもあります。その場合は慎重に審査する必要があります。非協力的な人であれば後々のトラブルを避けるためにも丁寧に断ることも大事です。購入者が決定したら発行総額を決定します。もし募集金額に達しない場合は、実際に集まった金額を発行総額とする旨を募集要項や社債申込証に記載しておけば問題ありません。上回った場合も同様です。

5.募集決定通知書を作成し購入者へ送付する

6.募集決定通知書に基づいて申込者に入金してもらう

7.社債申込証払込金預り証を発行する

8.社債券を発行する(社債台帳の作成)
少人数私募債は社債券を発行しなくてもかまわないことになっていますので、社債台帳を作成して記録しておけばOKです。

発行にかかる手続きはざっとこんな感じです。
あとは、毎年利息の支払い時に「利札」を発行してそれと引き換えに利息を支払います。そして満期日が到来したら元金を返済します。
ここで万が一返済が不可能となれば、必要に応じて借り換えまたは一部買取の手続きをとることになります。

以上、少人数私募債について簡単に解説してきましたが、各種書類の様式などもっと詳しく知りたいという方は、下記の本を参考にされるといいと思います。

4502586900 成功する少人数私募債の発行実務―事業計画が決め手
少人数私募債は社債を引き受ける側に立てば、信頼関係もさることながらその企業の将来に投資することになるため、ビジネスプラン=事業計画が決め手となります。本書は少人数私募債について豊富なイラストでわかりやすく解説するとともに、ポイントとなる事業計画の策定についても触れています。

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2005年11月28日 (月)

少人数私募債(2)

少人数私募債を活用するメリットってなんでしょうか。以下のようにまとめてみましたので参考にして下さい。

償還期間の心配は無用
募集を縁故者に限っていますので、社債権者となる方々は自分たちの資金で企業を守り育てようという気持ちが強いはず。なので償還期限が到来しても必ずしも返済しなければならないわけでもありません。借り換えも可能なのです。

らくらく後払い
借入金は当然ながら毎月の元金返済及び利息の支払いが生じます。しかし私募債は、元金を償還時まで返済する必要がありません。利息も半年または1年後に支払うことを決めればいいわけです。

利息は損金扱い
社債の利息は株式の配当と違って損金になるので有利ですね。

担保が不要
社債権者は企業を良く知っている縁故者であり、ビジョンや経営計画に出資しているわけです。法的にも担保の必要はありません。

財務内容の公開義務がない
証券取引法では、発行総額5億円未満の社債発行については、発行会社の財務内容の開示を求めていません。なので財務内容を開示する必要性はありません。しかしその分信頼関係が重要な要素となります。

税務上のトラブル防止
企業の資金を社長など役員から調達した場合、税法上、支払利息の不透明性が問題となるケースが多いようです。役員借入金を社債に切り替えることでこういったトラブルも回避できます。
ちなみに役員借入金を資本金に切り替えるという手もありますが、実際に現金を銀行に1日も保管せずに議事録だけで資本金に切り替えられるのは500万円が限度だということです。

銀行の格付けが上がる
仕入先や取引先の上場企業などが社債の大口の払い込みに応じてくれるなどの場合、銀行に対する信用力向上につながったという事例もあるようです。

面倒な届出などが不要
特に関係各所への届出も必要なく、通常の社債募集にかかる社債管理会社を置く必要もありません。

購入者もチャンス
少人数私募債は、社債購入者にとっても有利な金融商品といえるでしょう。銀行に預けておいても1年定期だと1%の金利がつけば良いほうです。しかし社債であれば3%~5%くらいは見込めます。もちろん金利は発行者が決めることですが、信頼できる経営者であれば比較的リスクの少ない金融商品といえるのではないでしょうか。

こんなにメリットの多い社債を活用しない手はありません。まずはビジョンを明確にしてビジョンに向けた経営計画を策定してみましょう。

051128-044402 昨日ゴルフコンペを初体験。朝、雨が降り雷が鳴る最悪のコンディションでしたが、徐々に天気は回復し晴れ間も見えるようになり気持ちよくプレーすることができました。ドライバーで真っ直ぐ飛んだとき、パットで長い距離をカップインさせたときは結構気持ちいいもんですね。結局ハンディキャップが功を奏しなんと3位に。え~っ俺なんか賞品貰ってもいいの?えっ!?スコアはどれだけかって?それは恥ずかしくて言えません(^^;

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2005年11月27日 (日)

少人数私募債(1)

先日せっかくセミナーに出席して勉強してきたんで、自分の知識の整理も兼ねて、今話題になっている少人数私募債について解説してみたいと思います。

少人数私募債をごくごく簡単に説明すると、

株式会社(新会社法施行後は現在の有限会社も対象)が

1億円まで

資金調達できる仕組みのことです。

ってこれだけじゃわからないですよね(^^;

では具体的にどうやって1億円を調達するのかと言いますと、

50人未満

縁故者に限定して

社債(債券)を発行し

この社債を購入してもらう

ことで資金を調達します。

社債を発行するわけですから、一口あたりの発行価格を決めなくてはいけません。ここで気をつけなくてはいけないのが、発行総数が50口未満でなければならないということです。ですから一口あたりの発行価格は、発行総額を50で割った額を上回ることが必要になります。

例えば、5,000万円調達しようとする場合、

一口あたりの発行価格 = 5,000万円 ÷ 50口

となり、一口あたりの発行価格は100万円を上回る価格に設定すればよいということになります。

もうひとつのポイントは、購入者の募集は縁故者に限り、しかも直接募集することが必要になることです。

社債を購入する縁故者は、役員の家族、社員、社員の家族、取引先など、企業に関与する方々に限定されます。なので企業=経営者の信頼がすべてです。

したがって、ビジネスプラン経営計画など企業の将来のシナリオを描いて、社債購入者に説明できなくてはいけません。社債を購入してもらうということは、企業の将来に投資してもらうということです。ですから経営者は明確なビジョンを持つことが必要になってきます。

ビジョンのない企業=経営者には誰も投資してくれないことは明白でしょう。規模の大小問わず、これからの経営者は明確なビジョンを持って下さいね。

051126-173906 先月の健康診断の結果所見が入っていた項目があったんで大学病院で診てもらいましたが、特に異常はないとのこと。よかったぁ~(^^)
でも病院ってほんとよく待たせますよね。結局すべて終了するのに5時間くらいかかってしまいました。病院の1階にある吹き抜けのスペースにクリスマスツリーが飾られてあり、親子連れがツリーの前で写真を撮っていました。その微笑ましい光景に、待たされているイライラを少し忘れシャッターをきりました。

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2005年11月26日 (土)

間接金融から直接金融へ

間接金融とは、預金者から銀行に預けられた資金を、銀行の判断で企業などに貸し付けて資金を融通させる仕組みのこと。銀行が間に入ることで間接という表現を用いています。

これに対して直接金融とは、投資家の資金が直接企業へ流れる仕組みのこと。企業が株式や債券を発行して投資家に買ってもらうことで資金調達を行います。

日本では間接金融の比率が高く、特に中小企業の資金調達の際にはこの間接金融に頼っているのが現状です。つまり資金調達の方法がほとんど銀行など金融機関からの融資に限られているといえるでしょう。

しかし金融システムの変化に伴って、従来のように不動産担保がある、保証人(人的担保)がいるといった「担保主義」では貸出しが困難となり、企業の財務状態及び経営者の資質を重視した貸出し姿勢に変わってきました。

それもこれも企業の維持力が低下していることに起因していると考えられます。倒産などによる貸し倒れリスクを回避するために銀行側も必死です。このような状況下において、中小企業がいつまでも間接金融のみに頼っていては企業の体質改善に支障をきたす恐れがあります。

もちろん売上高、利益率を向上させ収益性を高めることで体質改善を図ることは重要です。しかし売上を向上させるにも設備の導入や従業員の雇用、プロモーション(販促)活動などには資金が必要です。現実には資金繰りを円滑にするため外部からの資金調達に頼らざるを得ないことも多いのではないでしょうか。

新会社法の制定に伴って株式会社しか認められてない少人数私募債の発行が有限会社(厳密にいうと法施行後は「特例有限会社」となる)にも認められることになります。このように中小企業における直接金融の仕組みが整備され資金調達の選択肢が広がりました。

明日からこの少人数私募債について解説していきますね。

4413007921 図解 山田真哉の 結構使える! つまみ食い「新会社法」
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか」「女子大生会計士の事件簿」で有名な山田真哉氏が新会社法の本を出版しました。図解でわかりやすく解説されており、「小難しい本はいや!」という方でも理解しやすくなっています。ちょっとつまみ食い的なところもありますが、新会社法をざっと理解したい方にはピッタリだと思います。

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