独立への序章 ~主なテーマは「コミュニケーション」~
「コンサルタントのために仕事をしているんじゃない」
とある企業の社員の方が声を荒げて言っていた。
月に1回来社していろんな話をしていくらしいが、何を言ってるのかさっぱりわからない。社長もコンサルタントの言いなりで、コンサルタントの言うとおりにやるよう指示するだけ。社員の不満は爆発寸前・・・。
これでは、何のためにコンサルタントを入れているのかわからない。確かにその分野では専門知識があり、経験もあるコンサルタントなのだが、得てして”指導する”という上から見下ろすような態度になりやすい。
コンサルティングは所詮”介入”である。社内に割って入っているということを自覚することが必要だと考える。コンサルタントがどれだけ優秀でも、社長がどれだけ号令をかけても結局動くのは社員だ。お客様と直接応対するのも社員である。
飯山は、とにかくコミュニケーションを重視する。トップの考えを社員に浸透させ、逆に社員の声をトップに届ける。当然経営者とは充分な打ち合わせをさせてもらい、社員の方とも積極的に話をさせてもらう。まずはトップと現場をリンクさせるところから始める。管理職がいる企業では、トップと管理職、管理職と現場をリンクさせる。
組織がうまく機能しない本当の理由は、コミュニケーション不足によることが多い。組織をつくるとセクショナリズムが起き、それぞれの立場、部署を守ろうという感情が起きやすい。しかし、企業が成長していく過程においては必ず通らなければならない関門みたいなものだ。
ITを使ったナレッジマネジメントという言葉も流行ったが、これは多種多様な人種を抱える欧米ならではの仕組みだ。情報が正確に伝わらない文化なので、共通の情報流通の仕組みが必要だといえる。
でも日本人は違う。もともと勤勉で真面目な人種である。特に中小企業は、わざわざ人と人の間にコンピュータを介在させる必要はないと考える。ITを間に入れると、どうしてもそれを使わなくてはいけないということになって、ますます社内のコミュニケーションが悪化することにもなりかけない。
もちろんITを否定するつもりは全くない。ITはあくまで道具なのだから、使う目的を明確にして、コミュニケーションの邪魔にならないように、コミュニケーションが円滑になるように配慮しなくてはいけないと思う。
マニュアルなんかもその類だ。多くの時間とお金をかけてマニュアルを作成しても活用しないで机の引き出しの奥に追いやられている。強制的にやらせると機械的になる。これもマニュアル作成のプロセスに問題があることが多い。
やはりビジネスは、企業で働く方々と顧客、使用者と労働者といった人と人のつながりが重要だ。これらをどう有機的に結び付けていくのか。そのカギはやはりコミュニケーションにあると思う。
支援先の業界知識、事例などはもちろんのこと、この「コミュニケーション」が飯山の最大の研究テーマになってくると思う。
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